和の美

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更新日 2010-05-14 | 作成日 2008-03-23

和の美/欧州からの風

The east, the west, the considerable meeting, and exchange.

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MODERNISM/数寄屋

モダン・デザインは20世紀に発達したデザイン様式です。ウィリアム・モリスなどの近代工芸運動に遡れたとしても19世紀末。もちろん、欧州がその発祥の地です。
しかし、日本の江戸時代に確立した「数奇家」「数寄風」などの和風デザインと、欧州発のモダン・デザインとの間には、不思議な共通点、調和性が見いだされていることは、よく知られていることです。

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これは、明治以降、急速に「欧化」を進めてきたわが国が、積極的にその文化を吸収し内包してきた結果だともいわれていますが、ブルーノ・タウトが「泣きたくなるほど美しい」と絶賛した桂離宮などは、明治以前の建築物であるにもかかわらず、モダン・デザインの観点から、欧米でも高い評価を受けていることも事実です。

GRAND ENCOUNTER

東西交流の結晶

IMG_1919.JPG馬上にビロードのマントを羽織って現れる…TVドラマなどで、しばしば描かれる織田信長のイメージです。
しかし、南蛮を流行のファッションとして取り入れたのは、なにも信長だけではなく、あの堅実そうな家康も欧州製の甲冑を所有していましたし、毛利元就が拡充した厳島神社の社殿には、欧州ルネサンス様式の影響があるという学説もあります。

一方、民間でも、南蛮屏風、南蛮絵図といった欧州からの輸入絵画、その複製品などがもてはやされました。海外に飛び出していった日本人も多く、東南アジアを中心に各地に貿易拠点となる日本人居留区を築き、中には現地の王朝に重用される人物も現れるほどでした。

(カンボジアのアンコール・ワットには、当時の日本人の落書きがあることが知られています。)

つまり、江戸時代が始まる前から、わが国は海外の文化、特に欧州の文化と積極的に交流していたということです。

そして、当時、欧州文化移入の窓口となったっていたのが「泉州堺」、現在の大阪府堺市です。
侘茶の様式や「茶室」の空間を確立した千利休も、この「泉州堺」で活躍した豪商でした。そして、この利休の系譜に連なるのが、江戸時代になって確立される数寄家という様式。あるいは小堀遠州などによる建築、作庭の様式です。

利休は、当時の堺にあって、何を見て、何を感じたのか…茶道という視点からは、見落とされがちなことですが、欧州発祥とされるモダン・デザインと「和風」の相性の良さは、案外、こうしたことに隠されているのかもしれません。

BEAUTY AS LACK UNIFORMITY

不定形の美しさ


下の写真は、皇居桜田門の一部を写したものです。美しい白色の漆喰壁、その櫓下には石垣が積まれていますが、よく見ると石材のひとつひとつは不定形。いろいろな形、大きさのものが混じっています。
しかも、不定形なのに隙間がない。しっかりと削り磨かれて、石と石の間には、定規一枚、挟むゆとりはありません。
f0006046_20191689.jpgこの石積みの方法を「切込み接(きりこみはぎ)」といいます。石材のひとつひとつを成形してから積み上げる工法ですから、城郭建築も最高潮に達した江戸時代以降になって現れるものです。

しかし、それにしても不思議に思うのは、なぜ一定の大きさの石材を用いることをしなかったのかということです(恐らく、水平を出すのにも、一定の大きさの石材を用いた方が楽だろうと思うのですが)。もちろん、ほぼ一定の大きさに成形した石材を用いた石垣を持つ城もあるのですが、名古屋城など、こうした不定形の「切込み接」の石積みは数多くの城にみられるものです。

江戸時代になってからの城は、防御性よりも、いかに権威を象徴するかということに重点が置かれました。そうしたことからも、模様を織りなすような「不定形の石組み」は、ある種の装飾性を持たせるために用いられたのかもしれません。

華やかに多色を組み合わせた秀吉の時代が終わると、日本的な美しさは、再び、千利休が創案した侘茶の系譜に連なるようになります。
シンプルで、どちらかといえば色彩も単色系。金色よりも繊細なグラデーションが好まれるようになっていきます。

この石垣も、遠くから眺めれば単色のものに見えますが、近くに寄れば、石材の色に自然な濃淡があることがわかります。
そして、大小の石材が奏でるリズム。これが定型の石材で構成されていたら、もっと味気ないものになっていたでしょう。

さりげなくもあるが、決して単調ではない。

こうしたことについては、欧州のモダン・デザインよりも、日本の数寄屋の方が上手だったのではないか…

私たちが、仕事の中に「和の美」を活かしていきたいと考えている理由のひとつです。

家匠部/住環境事業部 Reception-Phone 045-624-0589

黄金比/白銀比

和と洋の美しさを
幾何学的に調和させる

1辺の長さを1とし、もう1辺の長さを1.618とする、割合で言えば、概ね5対8の割合になる長方形を「黄金比の長方形」といい、欧州の文化にあっては、人間が最も安定を感じ、また、なぜか惹かれる図形になるとされています。

(例えば、現在の名刺は、たいていがこの5対8の長方形。ギリシアのパルテノン神殿は、この長方形で構成されているものとして知られています)

一方、わが国では、古来より、1辺の長さを1とすると、もう1辺の長さを1.414とする長方形が愛されてきました。A3やA4といったA版の紙のサイズがこれにあたり、黄金比に対し、これは「白銀比」と呼ばれています。

法隆寺の五重塔は、この白銀比で構成されており、日本発祥のものという意味で、大和比などとも呼ばれています。

なぜ、人が黄金比や白銀比に惹かれるのかについては、まだ諸説がある段階です。しかし、人々が「惹かれる」あるいは「落ち着く」ということは事実のようですし、惹かれる、落ち着く割合を模索していくと、最終的に黄金比や白銀比に行き着くというのも事実なようです。

この黄金比と白銀比を上手に使い分けること。それだけでも、和と洋の違った表情を見いだすことができます。
また、黄金比や白銀比で住宅の形を構成するだけで、飽きのこない住空間を実現することもできます。

伝統の日本家屋に学ぶ

密性からの脱却

かつての日本家屋にあった開放性…
すきま風という悪印象があったからか、戦後の住宅は気密性を高めていく方向で進化してきました。

建材などから発せられる有害な化学物質だけに注目が集まりがちですが、実際には、気密性の高すぎる部屋の構造や造作も、シックハウスの大きな要因になっているとも考えられています。

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適度に呼吸する天然、自然の素材を見つめ直すこと。絶えず風の流通がある構造をもう一度、見つめ直してみること…

そうした観点から、日本の気候風土と長年寄り添ってきた「日本の家」、そこに使われてきた素材や構造、そこに学ぶべきことはたくさんあるのかもしれない…

私たちは、そのように考え、勉強を重ねています。


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