


しばしば、デザイナーや建築家に任せた家は住みにくい、暮らしにくいのではないかという印象を持たれているお客様に出会います。
でも、ほんとうは使いやすさ、住みやすさから発想するのがデザインであろうと思います。
デザインはアートではありません。アーティストは、もっぱら(彼の)才能や感性のおもむくままに造形しますが、デザイナーは、人々のライフスタイル、家族構成、耐久性、耐震性、断熱性、防犯性、コストなどの情報を集積し、その都度、その都度、最適を選び出して、住まいのかたちを見いだす、いわば編集者のような役割を負っています。
住まいは、アーティストによる作品なのか、それとも生活の場なのか…神崎は、あくまでも自らのアートを主張しようとするのではなく、善きデザイナーであろうとする人の家づくりに貢献できる「造り手」であること、自身もまた、善きデザイナーであることを目指して、仕事をさせていただいております。
例えば、桂離宮がそうであるように、かつての日本建築はモダン・デザインの傑作のようにシンプルで、しかも美しい。よけいなものを取り去って、機能に徹することからも「美しい」を見いだすことはできる…私たちは、そう信じています。
そして、何よりも、形としての建築物であるより、人々の暮らす「家」であること。「ただいま」と「お帰りなさい」が心地よく、毎日、エコーする「家庭」であること。
そんな「家づくり」を目指しながら、私どもは、きょうも、どこかの現場で、素材と対話しながら、仕事をさせていただいております。