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コラム

調和するモダン

とあるテレビCMでヤコブセンの名前が聞かれたのは2006年のことです。

「モダンリビングという新しい豊かさ」をキャッチ・コピーにしたテレビCMには、いくつかのパターンがありましたが、映像の背景には、ヤコブセン以外にも、エンリケ・M・カルバンがデザインした「CASA CARMEN」、Morphosis(=モーフォシス)という建築デザイン・グループが設計した「Cal Trans Building」など、モダン・デザインを代表する作品群が登場していました。

一方、「名建築篇」シリーズ(印象派絵画の巨匠たちをとりあげた「名画篇」に先行して制作された)として放映されていたCMでも、フランク・ロイド・ライトなど、20世紀の先駆者から、現在に活躍する隅研吾さんなど、やはり、シンプルなモダン・デザインの系譜に連なる建物(特に住宅)が、大きく取り上げられました。

 

こうしたことに象徴されるように、近年はモダン・デザイン・ブームといっていいほどの注目が集まっていますし、実際の生活の中にモダン・デザインをとりいれようとする方も増えてきました。

モダン・デザインは、シンプルであることを追求してきましたが、それは20世紀が、工業生産に拠る大量生産の時代だったからです。

しかし、シンプルであるが故に、単調であるとか、没個性な仕上がりになるとか、あるいは人間的なあたたかみに欠けるとか…そうした問題と闘ってきたというのも、モダン・デザインの歴史です。

地球環境のことを考えれば、シンプルであることは、これからもデザイン潮流のメイン・ストリームであり続けるのだろうと考えます。恐らく、一過性のブームで終ることはないのだと思います。

「機能しかないのに美しい」過度な装飾が無く、機能性に富んでいるのに、なぜか美しい…

これは、かのバウハウスでも重要なテーマとされたことですが、こうしたことに加えて、人間的な温もりをシンプルさの中に共存させることが、これからのモダン・デザインに与えられた課題です。

神崎は、すべてを量産品に依存する建築という考え方からいったん距離を置き、手業(てわざ)であるところの技能を見つめ直し、そこから、コスト、耐久性、あるいは耐震性などを実現する、これからのモダン・デザイン、あたたかいモダン・デザインを見つけ出そうと、努力を続けています。

 

>> 自然との共生