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コラム

BEAUTY LACK UNIFORMITY

右の写真は、皇居桜田門の一部を写したものです。美しい白色の漆喰壁、その櫓下には石垣が積まれていますが、よく見ると石材のひとつひとつは不定形。いろいろな形、大きさのものが混じっています。

しかも、不定形なのに隙間がない。しっかりと削り磨かれて、石と石の間には、定規一枚、挟むゆとりはありません。

この石積みの方法を「切込み接(きりこみはぎ)」といいます。石材のひとつひとつを成形してから積み上げる工法ですから、城郭建築も最高潮に達した江戸時代以降になって現れるものです。

しかし、それにしても不思議に思うのは、なぜ一定の大きさの石材を用いることをしなかったのかということです(恐らく、水平を出すのにも、一定の大きさの石材を用いた方が楽だろうと思うのですが)。

もちろん、ほぼ一定の大きさに成形した石材を用いた石垣を持つ城もあるのですが、名古屋城など、こうした不定形の「切込み接」の石積みは数多くの城にみられるものです。

 

江戸時代になってからの城は、防御性よりも、いかに権威を象徴するかということに重点が置かれました。そうしたことからも、模様を織りなすような「不定形の石組み」は、ある種の装飾性を持たせるために用いられたのかもしれません。

華やかに多色を組み合わせた秀吉の時代が終わると、日本的な美しさは、再び、千利休が創案した侘茶の系譜に連なるようになります。シンプルで、どちらかといえば色彩も単色系。金色よりも繊細なグラデーションが好まれるようになっていきます。

この石垣も、遠くから眺めれば単色のものに見えますが、近くに寄れば、石材の色に自然な濃淡があることがわかります。
そして、大小の石材が奏でるリズム。これが定型の石材で構成されていたら、もっと味気ないものになっていたでしょう。

さりげなくもあるが、決して単調ではない。

こうしたことについては、欧州のモダン・デザインよりも、日本の数寄屋の方が上手だったのではないか…

私たちが、仕事の中に「和の美」を活かしていきたいと考えている理由のひとつです。

 

>> 伝統の日本家屋に学ぶ