建物の生命力を見つめ直す仕事
リフォームという言葉には、建物を造り直すというイメージがあります。同様に「増築」「改築」の「築」という文字にも、やはり、新たにつくるというイメージがあるように思います。しかし、本来、リフォームは、その増築、改築前の「家」が持つ生命力に沿って、新たな命を吹き込むという作業だと、私たちはそのように考えています。
表層の機能を追求するだけでなく
建物の生命力に沿って選定作業をするということ
阪神・淡路大震災をきっかけにして、建築基準法が大きく改正され、さらに耐震偽装問題から、再度、検査方法などを中心に大きな見直しが行われたことで、この2つの法改正以前に建てられた建築物のすべてが地震に弱いという印象を持たれるようになりました。
しかし、あくまでも法律が定めるのは最低基準ですから、法改正以前に建てられた建築物でも、その物件に関わった建築家や設計士。施工に当たった業者さんの考え方によっては、しっかりとした耐震強度を持つものがあります。
阪神・淡路大震災の折も、同じ木造住宅でも、いわゆる2×4と呼ばれる工法で建てられたものに、ほとんど倒壊したものはなかったということも事実ですし、これからも使用し続けられる建物はたくさんあります。
表層の部分で、時代遅れに感じられたり、また、実際に不便をお感じになっていたとしても、よい建物には地下水脈のように力強い生命力が息づいているものです。
少しずつ不便を削り、今日的な利便性を付加してやれば、必ず、輝きを取り戻していきます。
私たちは、壁の向こうに隠れた建物の生命力を探り、その生命力に沿って機能を付加するスタイルを保ちながら、住宅の、お部屋をリフレッシュしていく作業をしていきたいと考えています。
バリアフリーは細部から
機能性だけでなく 素直に身体がよろこぶように
2017年には(わが国の国民の)4人に1人が65歳以上になると推計されています。現在は家族構成も変化し、核家族がスタンダード。単身のご家庭も増加する中で、当然、求められる住宅像も変化していくことが予想されます。
ひとつには、導線を短くして機能を集中させるかたちが求められると考えられていますが、一方で、適度な運動を続けていくことが重要だとすることから、あまりコンパクトにまとめすぎない方がよいのでは、という意見もあります。
恐らく、いずれもが(ある視点に立てば)正論なのでしょうが、等身大の人間にとって重要なのは、やはり、手に触れる触感や、日々、体感することになるお部屋の色使いなどです。
ステンレス製の手すりにつかまるのか、それが木製であるのか。壁の色はグレーなのか、あたたかい暖色系のものなのか。お部屋は明るいのか、暗いのか…
住宅機能の構成については、負担を軽くする方便もあれば、適度な運動の余地を残しておくという判断もあるのだろうとは思いますが、日々の健康を考えていく上で、重要なのは、実際にそこで暮らすみなさんが、目にし、手を触れる部分を詳細に考えていくことです。
そうしたことから、私たちは、建材、素材に精通することに加えて、人々の生活行動がどうあるのか、専門家の方々のご意見を伺いながら、勉強を続けさせていただいております。
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